苗村研究室の研究プロジェクト

具体的な研究例

研究領域

 苗村研究室では,モノ(物質)・コト(情報)・ヒト(人間)の創発的な連鎖を促す情報メディアの研究開発を通じ,競争を強いるだけでない,心に豊かさをもたらし得る科学技術領域の開拓に取り組んでいます。そのためには,メディアだけでなく,そのコンテンツとの有機的な連携を含めた議論が必要不可欠です。  苗村研究室では,「モノ×コト×ヒト」「メディア+コンテンツ」という基本理念を中心に据え,具体的には「空間性・写実性」「身体性・実体性」「表現性・創発性」という3つの視点から,研究を推し進めています。そして,この3つが交差する以下の6つの研究課題に取り組んでいます。 これらの関係をまとめると以下のようになります。研究室紹介資料もご参照ください。
 研究室のミーティングは,研究室の全員が集まる「全体MTG」と,7~8名の小グループに分かれた「SIG(Special Interest Group)MTG」,1~2名で集中的に議論する「個別MTG」の3種類を毎週行っており,これに加えて学生中心で「勉強会」を開催しています。SIGは3つあり,それぞれ,SIGLF(Light Field),SGMA(Mixed and Augmented Reality)・SIGDC(Digital Content)と呼ばれています。この3つのSIGが,上記の「空間性・写実性」「身体性・実体性」「表現性・創発性」に,ほぼ対応しています。
 博士・修士・卒論の具体的な論文題目は,研究室OBOGリストにまとめました. 大別して,以下のような研究プロジェクトに取り組んでいます。

超臨場感コミュニケーションと映像構造化・空間認識

より高度な臨場感を伝えるためには,実世界の3次元空間そのものを対象とした研究が必要不可欠であす。本研究では,映像の構造化(領域分割)や一般物体認識に関する検討を進めるとともに,これを多眼画像に応用することで超臨場感コミュニケーションの実現を目指しています。また,画像ではなく光線を単位とした空間情報の取得・認識・処理・合成方法についての検討を進めています。具体的には下記のテーマを挙げることができます。
  • 一般物体認識のためのデータベースの自動作成
  • セマンティックビデオ編集のためのリアルタイムビデオマッティング
  • 多眼画像の領域分割と,超解像的アプローチによる自由視点画像合成
  • 多眼ビデオ映像の実時間処理(Video-Based Rendering,All-in Focus Light Field Rendering)と空間共有システムの実装(TransCAIP)
  • Computational Photographyのための可変焦点レンズアレイ(Multi-Focal Compound Eye)
  • 光線記述方式の提唱と理論的体系化(空間情報の標本化理論)

複合現実感インタフェースとメディアアート表現

情報メディアは人を取り巻く環境へと進化しつつあります。本研究では,我々が生活する「実世界」と,コンピュータの中に作り出された「バーチャル世界」を統合的に扱う情報環境の実現に向け,さまざまな入力方式・実時間処理・画像合成方式・対話的インタフェース・ディスプレイ装置の研究を進めるとともに,その一部を,メディアアート作品として展開しています。具体的には下記のテーマを挙げることができます。
  • 可視光通信プロジェクタによる情報投影型拡張現実の実践(EmiTable, SteganoScan)
  • 光で制御する3次元形状ディスプレイ(Photonastic Surface)とブロック型デバイス(Bloxels)
  • ひずみ計測を応用したユビキタスインタフェース(Strino Leaves, Log-Log, 星に座る椅子)
  • 匂いをキーにしたライフログシステム(scentlog)
  • CO2計測による人の活動の視覚化(呼吸する研究室,呼吸する空港)
  • テーブル型ディスプレイにおけるインタラクション(Lumisight Table, through the looking glass, Tablescape Plus, UlteriorScape, ForceTile)

デジタルミュージアム展示支援とコンテンツデザイン

メディア技術の発展により,そこに提示されるコンテンツ技術も新たな時代を迎えようとしています.本研究では,新たなデジタルミュージアムにおけるさりげない展示支援のためのメディア技術や,様々なデジタルコンテンツの創造支援技術の検討を進めています.具体的には下記のテーマを挙げることができます。
  • 実物体と映像の混在を可能にする複合現実型空間像ディスプレイ(i-ball)と両面タッチ入力可能な透明ディスプレイ(LimpiDual Touch)
  • 創造支援型メディア芸術アーカイヴ(HIVE)
  • インターネットビジョンによる創発的映像編集(Automatic Clolorization)
  • 自由空間点群ディスプレイにおけるコンテンツデザイン(United Points)
  • コンピュータを介した音楽表現支援システム(Tempo Primo, otoato)
  • 温度情報を用いたビデオ入力からの人物領域実時間自動抽出(Thermo-key,Thermosaic)