SHelectiveは,多人数で一か所に集まって行う画面共有を支援するソフトウェアで,東京大学苗村研究室にて開発が進められています.
SHelectiveが想定する環境
個人のPC を外部ディスプレイに接続し,多人数で対面的に画面共有しようとした場合に,自身の画面をそのまま「複製」して表示するか,描画領域を「拡張」して自身の画面とは別の内容を表示するのが一般的です. このように外部ディスプレイを他者と共有する場合,「複製」では意図せず個人的な情報が表示されてしまい,「拡張」では外部ディスプレイ上での操作が煩雑になるという問題があります. そこで筆者らは複製・拡張に代わる第3の手法として,アプリケーションウィンドウ単位での「選択的複製」による情報共有手法「SHelective」を考案・実装しました.
たとえば,下記のような場面で恥ずかしい思いをしたことはありませんか? SHelectiveを使えば,このような心配をせずに,安心して画面共有をすることができます。- Skypeの友人のログイン情報やGmailの新着通知がポップアップで表示されてしまった
- WebブラウザでURLや検索キーワードを入力するときに,個人のアクセス履歴や検索履歴がポップアップで表示されてしまった
- Webブラウザのお気に入りに登録したページを探すときに,個人のお気に入りがぜんぶ表示されてしまった
- アプリケーションからファイルを開くとき,フォルダの中身がぜんぶ表示されてしまった