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速度低下のもう一つの大きな原因として、近端漏話(Near End Cross Talk:NEXT)という、送信側に近い線が別の回線に与える電波干渉が挙げられる。ADSLの干渉問題と言う場合、大まかに2種類ある。一つは、ノイズも含めたISDNからの干渉(図1)で、もう一つは、Yahoo! BBがADSL 12Mに採用しているAnnex. A.exという規格の回線が、他のADSL回線に与える干渉である。本報告では、後者の問題を中心に述べる。
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http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/dsl/yougo/yougo5/yougo5.htm |
干渉を避けるため、NTTは、ADSL,SDSL(xDSL)回線を第一グループと第二グループに分けた。第一グループはどのカッドに入れても構わない規格で、Annex
CのADSLはこれに分類されている。第二グループにはSDSLなど、ISDNとの干渉が強い方式が分類され、ISDNなど他の方式とは別のカッドに入れる必要が出てくる。
このため、事業者の採用する方式が第二グループに分類されると、手間とコストがかかり、その事業者にとっては、大きく市場を広めることは事実上不可能となる。BBテクノロジーの12Mサービスがどちらのグループに分類されるか、というのが、今回の12M
ADSLの干渉問題である。
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サービス開始時期 |
| BBテクノロジー | Yahoo! BB 12M | Annex A.ex | フルビット・ローディング
S=1/2 FDMオーバーラップ+エコーキャンセラ |
2002年8月 |
| イーアクセス | ADSLプラス | eXtreme DSL | フルビット・ローディング
S=1/2 トリレス・コーディング 制御信号の多重化 |
2002年11月 |
| アッカ・ネットワークス | 12Mbpsサービス | Annex C.x | フルビット・ローディング
S=1/2 オーバーラップ+エコーキャンセラ (局からの距離に応じて方式を切替え) |
2002年10月 |
| NTT東西 | フレッツ・ADSL モア | eXtreme DSL | イーアクセスと同じ | 2002年11月 |
フルビット・ローディング、S=1/2は、どの規格も採用している。
前者は、下りの帯域にある搬送波(4kHz幅で200個以上ある)の一部は、最大限のビット数(15ビット)を使っていなかった状況を、アルゴリズムの工夫によってできるだけ増やそう、という技術である。
後者は、局からの距離が近く回線条件が非常に良い場合は、誤り訂正を甘くしてその分スピードを上げる技術である。
以下、Annex A.ex、eXtreme DSL、Annex C.xについて、改良技術を説明する。
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| 日付 |
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| 7/10 | 小畑:Yahoo! BB 12Mは、他回線に大きな影響を及ぼす恐れ。
BBがAnnex A.exをTTCに提出しなかったのは問題。 |
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| 7/16 | Yahoo! BB 12Mのサービス概要を発表。
孫:TTCに強制力はなく、問題はない。営業妨害だ。 |
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| 7/31 | TTCの会合に欠席 | TTC会合で、Annex A.exを第二グループとする分類案を提示。 | 「スペクトル管理標準」の会合を開催。
NEC等:調査結果報告:「Annex A.exは、他サービスのカッドは避け、NTT局から2km以内に限定すべき」 |
| 8/19 | TTCに動議提出。Annex A.exを第一システムとする分類案を提示。
「中立の学識経験者の会議で干渉問題を議論すべき」 東工大太田氏らが、TTCスペクトル管理標準の問題点を指摘。 |
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| 8/27 | イーアクセス小畑COO個人に対して3億円の損害賠償訴訟 | ||
| 8/29 | 会合を開催。改訂版スペクトル管理基準のドラフトをいったん取り下げ。 | ||
| 9/12 | 第94回理事会: 会議運用方法(暫定)
「……表決の結果、会員の70%以上の賛成が得られた場合は、標準案は決定されたとみなされる。賛成者が会員の70%未満である場合は、標準案に関する討議を継続しなければならない。」 |
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| 10/1 | 小畑:口頭弁論で、「提訴は改定作業停止が目的」 | ||
| 10/17 | NTT:約款改定。Annex A, Annex Cは第一グループ。
Annex A.exは未確定だが、経過措置として事業者からの申し出に基づいて暫定的にグループを決めると発表。 第二グループは月額899円高くなり、収容カッドの制限も受ける。 |
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| 10/23 | コメント発表:「Yahoo! BBは第一グループ」
その後、NTTにも第一グループとして申請。 |
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| 11/5 | Annex A.exの呼称をAnnex A (12M)に変更。 | ||
| 11/8 | グループ74社がTTCに大挙入会。 | 会員数215社に。うちソフトバンクGが35%。 | |
| 11/27 | IP電話で12社連合を発表。NEC, KDDI, 日本テレコム,
松下など。
イーアクセスが一元サポート提供。 合計会員数1700万人。 |
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| 12/1 | NTT東西:フレッツADSLを値下げ。 | ||
| 12/2 | 孫:「(TTCのJJ-100.01のような)間違った空論で規制されるのは問題。無実の者を死刑にするのと同じ。」
「干渉が発生した都度対処すべき」 「TTCのシミュレーションは、干渉の多い0.4mmの紙絶縁ケーブル(1990年以前の地下ケーブル)を想定。現実とかけ離れている」 |
小畑:「同じ川から水を飲んで、病気になってから治すのではコストがかかる。」 | 総務省:ADSL事業者・消費者代表を集め公聴会。
アッカ:「干渉源を判別するのは現実的でない。公的機関でスペクトル管理ルール決めるべき。」 NTT東西:「問題の切り分けは困難。」 日本生活協同組合連合会:「利用者が干渉に気付かないと問題が封殺される。」 NTT東西:「ケーブルは今も半分は地下。ワーストケースでテストすべき。」 |
| 12/11 | 総務省:DSLの通信規格を策定すると発表。来春をめどに。大学教授や事業者ら約20人で構成。 | ||
| 12/19 | NTT東日本:フレッツの販売体制・サービス内容の強化を発表。店頭のモデム配布。2003年初にIP電話モデム。 |
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| 1) 総務省による公開 http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/dsl/
2) BBテクノロジーズによる発表 http://www.bbtec.net/info/press/ 図4. 日本のDSL加入者数とYahoo! BBのシェア |
Yahoo! BBの伸びは、11月の2ヶ月無料キャンペーンで街角でモデムを無料配布したり、電話で承認を得た家庭にモデムを配布したりする拡販キャンペーンが功を奏していると考える(私自身も無料キャンペーンを利用中である)。
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以上のような署名コラムに対して、表3に示すような、計42通の反響があった。
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(計18通) |
(計16通) |
(計8通) |
| 遠距離化で、今までADSLの恩恵にあずかれなかった地域に供給したことを評価
(11通) TTCの組織やルール・規制を問題視
安価なサービスで普及を早めたことを評価
ISDNの終息を考慮した規格を希望
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ルールを守らないことを非難
(9通) 強引なやり方や訴訟など、企業姿勢・態度を問題視
サービスの質の悪さを挙げ、企業としての信用を問題視
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消費者軽視の各事業者を非難
(5通) オープンな議論がされることを希望
スピードよりも遠距離サービスでマスを拡大することを希望
中立的な記事を希望
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上記の意見は、参考ページ[6]の下の方の、「皆様の評価を見る」をクリックすることによって見ることができる。
Annex A.exのユーザーが局から一定距離以下である場合を検出し、その場合は、オーバーラップをオフにするこのような対策は、すでにAnnex C.xでは実施されている。この対策が無理なら、一定距離以下のユーザにはAnnex A.exサービスを提供しない、という運用上の対策でもよい。BBテクノロジーが十分な検証を行なって結果を開示すれば、Annex C.xのように細かな条件でオーバーラップを使い分けてもよい。
ということになる。
- 遠距離ユーザはAnnex A.exのReach DSLを利用しても最大940Kbpsしか出ないのだから認めよう。さもないと、極端に遅いADSLかダイヤルアップしか選択肢がない。
- 近距離ユーザはすでに数Mbps出ているのだから、他のADSLユーザに迷惑をかける恐れを無視してまであと2〜4Mbps分上げるのは我慢してくれ。Annex A.exがなくても、eXtreme DSLやAnnex C.xを選択して12Mを得る機会はあるではないか。
「公正な競争」になっているかどうかであると考える。
(目的)http://www.telesa.or.jp/katsudo/01_2q/h130514021.htm
第一条 この法律は、電気通信事業の公共性にかんがみ、その運営を適正かつ合理的なものとするとともに、その公正な競争を促進することにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的とする
| [1]
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アッカ・ネットワークス,ADSL完全ガイド
http://www.acca.ne.jp/guide/index.html |
| [2]
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アッカ・ネットワークス,もっと詳しいADSL
http://www.acca.ne.jp/guide/detail/01_01.html |
| [3]
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柴坂浩輔,ADSLの基礎知識 12Mへの対応
http://www10.ocn.ne.jp/~k-shiba/pc-info/nandi/adsl4.htm |
| [4]
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清水理史のイニシャルBB 第37回:12Mbps ADSLの最新の動向を事業者に聞く〜アッカ・ネットワークス編,2002年12月10日.
http://bb.watch.impress.co.jp/column/shimizu/2002/12/10/ |
| [5]
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中道理,DSL新技術の芽を摘むな.日経BP IT-Pro「記者の眼」2002年5月8日
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020507/1/ |
| [6]
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藤川雅朗,過熱するADSLの高速化競争 もっと冷静になって見てみよう,日経BP
IT-Pro「記者の眼」2002年7月22日
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20020720/1/ |
| [7]
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和田英一,「Yahoo! BBの独走を許すな!」――ライバルが焦る裏にIP電話あり,日経BP
IT-Pro「記者の眼」2002年12月13日
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/OPINION/20021212/1/ |