SIGGRAPH2005
OpenGL BOF聴講報告
日時:8月3日(水) 18:00-20:00
場所:Wilshire Grand Los Angeles, Shierra Ballroom
報告者:東京大学原島・苗村研究室/日本SGI 柿本正憲
概要:
OpenGL関連の技術者(アプリケーションプログラマ)向けの技術情報が提供されるBOFです。コーディネータはSGIのJon Leech氏です。

今年はあまり画期的な内容は少なく、各種情報のアップデートを主体とした内容でした。去年すばらしいデモをたくさん見せてくれたNVIDIAのSimon
Green氏も講演・デモをする予定でしたが、急遽来られなくなり、デモもなくなってしまいました(残念)。
文中【 】で囲んだ部分は、報告者による補足です。
内容:

アジェンダは上記の通りです。
●OpenGL ARB Status and Plans(Jon Leech)
【ARBはArchitecure Review
Boardの略で、OpenGLの仕様を策定する中立機関です。SGI、NVIDIA、ATI、3Dlabs等の10数社がメンバー企業になっていま
す。】
OpenGL2.0が発表されたのはちょうど1年前になりますが、現在はすべてのハードベンダが2.0対応を終えました。
また、今年のExtension(拡張機能)は、浮動小数点バッファ、pixel buffer
objectのサポート、superbufferなど、ボード内部の画像メモリ操作に関わる部分が多くなっています。
OpenGL2.1に関しての話もありました。仕様決定は今年の年末の予定です。上記バッファ関連や、タイミングコントロール(リアルタイム制御・軍事
向け)、非同期コア(EXT_async_core)などが盛り込まれる予定です。
また、だいぶ先の話になりますが、OpenGL3.0も検 討され始めており、過去との互換もなくなるような大きな変化があるようです。
●Khronos Update (Neil Trevett)
【KhronosリーダーのNeil TrevettがNVIDIA所属だったのは初めて知りました。】

【Khronosはモバイル機器向けのOpenGLサブセットであるOpenGL|ESの仕様を策定するグループです。】
現在の会員企業は90で、プロモータ企業として新たにNVIDIAとSonyが加わった。プレイステーション3はOpenGL|ESで動くようになる。
ES 2.0は、プログラマブルなハードウェアに対応し、シェーディング言語(GLSL
ES)もサポートされる。それでいながら、上位互換性は保たれる。
ES SC 1.0がリリースされ、軍事用途や車載機用など、リアルタイム系の組込み機器に使われる。
OpenGL|ESのバージョンアップのサイクルは12ヶ月となる。その中で3つのフェーズ(仕様策定・チップ化・出荷)がパイプラインのように流れ
る。この作業を二本並行して、フェーズをずらして行うことで一つのバージョンに2年かけても、1年ごとにバージョンアップができるようにしている。
写真は、OpenGLのバージョンアップとESのバージョンアップとの関係を示すロードマップ。

●SPEC Update (Ian Wiliams)

【SPECはコンピュータのベンチマークを策定する団体で、OpenGLに関してはSPECopcというサブ組織が、SPECviewperfというベン
チマークを提供しています。詳細は、映像情報メディア学会誌2002年12月号に掲載された記
事を参照してください。】
新しいSPECviewperf9.0の情報がありました。新しいviewset(市販アプリケーションをベースにしたバッチ動作をするテストプログラ
ム)として、VisMockupとUGS NX3が選ばれたとのことです。
そのほかの話は、SPECviewperfの紹介のようなお話でした。
●Superbuffers Working Group Status (Barthold Lichtenbelt)
【Superbuffer
は、描画結果を格納するフ
レームバッファやテクスチャメモリの内容を、ピクセルシェーダまたは頂点シェーダから、つまりグラフィックス処理ハードウェアの中間部分から読み込めるよ
うにする機能です。】
EXT_framebuffer_objectという拡張機能が今年1月にリリースされた。framebuffer_objectというのは、従来から
あったpbufferの機能を代替するもので、今後はOpenGLのコア機能(拡張機能ではない標準機能)に付け加えられている。
framebuffer_objectのハードウェアによる実装は、NVIDIAが6月5日に、ATIがこの7月に終えている。
●Framebuffer Object Demos (Simon Green) キャンセル
●Shading Language Working Group Status (Bill Liceakane)


【OpenGL 2.1での検討項目は話が細かく断片的だったので省略。】
OpenGL
3.0に関しては、その前までバージョンとは互換性がなくなる可能性が高い。理由はグラフィックス・ハードウェアがプログラマブルになったためである。
OpenGLが1992年にシリコングラフィックスのMark Segal とKurt
Akeleyによって仕様が作られたときには、OpenGLのハードウェアはプログラマブルではない(固定パイプライン)という前提だった。しかし、実際
には2001年から、ハードウェアは固定機能だけでなく、アプリケーションプログラマがチップにプログラムを埋め込んでOpenGLの機能の一部を置き換
えられるようになった。そのため現在のOpenGL仕様には無理がきている。
そのような状況で、プログラマブル機能をOpenGL仕様に自然に入れるためには、それまでのOpenGLとの互換性をなくさないといけない。
●その他(会場からの質問・コメント)
Paul Ramsey (Sun Microsystems)
会場の人たちに聞きたい。Openなグラフィックス・デバイスというのには興味はないか。関連してなにか面白いアイディアはないか。
【会場から2,3人がコメントしたが、早口でぼそぼそと話したため、なんだかわからなかったが、雰囲気からして、「面白いがあまり肯定的ではない」とい
う感じのことを言っていたように感じた。】
Neil Trevett (Khronos Group)
MicrosoftのOpenGLに対する認識、Windows上のOpenGLについて、何か危機感を感じているようなことを言っていた(Let
Microsoft know the issue、という言葉が飛び交っていた)。MicrosoftにとってOpenGLはfirst
classではなくsecond classなのではないか、といういうようなことを言っていた。
細かいことは聞き取れませんでした。ヒアリング力の限界です。
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